ペレットについて
ペレットの給仕量
うさぎの食事として牧草と同じく大切で重要なペレット
牧草の役割は「うさぎと牧草」で記載しましたが、
牧草では足りない栄養素を効率的かつ衛生的、
経済的に摂取する事が出来るのがペレットです。
ペレットの原料は大きく分けて2種類
アルファルファ(マメ科)とチモシー(イネ科)です。
アルファルファ原料のペレットは栄養価が高く、成長期の骨や筋肉など体を作るのに
とても重要です。
チモシー原料のペレットは低カロリー高繊維質で、出来上がった体を維持するのに向いています。
アルファルファはカロリーが高く、カルシウムが多いという理由で、体が出来上がっていない月齢でチモシー原料のペレットに
切り替えてしまっている方が結構多いですが、成長期にはアルファルファ原料のペレットが適していますので、生後1年位はアルファルファ原料のペレットを与えて下さい。
チモシー牧草を沢山食べている子であれば、チモシー原料のペレットに切り替えなくても、量の加減でアルファルファ原料のペレットをそのまま食べていても、構いません。
太りすぎ、泌尿器系の疾患、その他アルファルファの摂取に注意が必要な子の場合は、チモシー原料のペレットに切り替える必要があります。
飼育しているうさぎが太っているのか、標準なのか、痩せているのか、信用出来る獣医師、信用出来る
うさぎ専門店で確認してもらうのが
ベストだと思います。
うさぎの個体差は幅が広く、ペレットの量が--gで、体重が--kgが
ベスト!とは簡単に言えない動物です。
飼育に関するマニュアルはあくまでも参考例であり、お家の子に当てはまらない
場合が多く、飼育数の少ない方の意見も、同じ理由から鵜呑みは厳禁です。
飼育経験が豊富な専門店で、臨機応変な対応・対処を聞く事をお勧めすると共に、
情報をよく吟味し分からない所は、専門店や獣医師に納得出来るまで聞いて下さい。
もし仮に体重の5%のペレットを10羽のうさぎに与えたら、
10羽10様で太ったり痩せたりちょうど良かったりという事になります。
幼少の頃に十分な食事&栄養価が摂取出来なかった子は、何を食べても栄養吸収しようとするので、他の子と同じ物を
食べても太りやすい体質になるという方もおられます。
ネザーランドドワーフ種で例えると、ドワーフ遺伝子を持つ1kgに満たない固体と、ドワーフ遺伝子を持たない1kg超える
個体に同じ重量のペレットを与えても体重の違いがあるにも関わらず、
ドワーフ遺伝子の子の方がメキメキ太るという事も、あまりありません。
勿論、想定外の量を与えれば、両者共に太りますけど。。。
それくらい、育った環境、その子の状態で「うさぎの個体差」というのは
幅が広く、飼育するうさぎを飼育者が判断し、その子に適した食事内容を
決める必要があります。
主食はチモシー牧草ですが、チモシーよりペレットの方が美味しく、好きなうさぎが多いと思います。
ペレットを食べ過ぎて、チモシーを食べなくてもお腹がいっぱいになってしまわない様にペレットの量を加減する必要があるのですが、一応
参考は体重の3〜5%が目安とされています。
生後3〜4ヶ月までは様子を見ながらアルファルファ原料のペレット主体でチモシー牧草もいつでも食べれる状態
の食生活をさせ
(内機能・骨格形成・筋肉や肉を作るため)、その後体重の5%のペレットから開始し、7ヶ月頃まで様子を見て、あからさまに太っていて牧草もあまり食べないようなら徐々にペレットの量を減らして加減して下さい。
急激な食事内容の変化はうさぎにとって危険ですので、焦らず慌てず
ゆっくり見守りながら食事内容を検討して下さい。
・ペレットで補うミネラル・ビタミン
「牧草という植物」の所で少しだけ、ビタミンについて記載しましたが、生牧草はビタミンA
が豊富で、乾牧草にはビタミンDが豊富なのですが、ビタミンEは不足しています。
特に乾牧草の方は、乾燥させる間に90%以上のビタミンEが消滅するので、乾牧草主体の食事の場合は、特にペレットで補う必要があります。
ビタミンやミネラルが必要と言っても、微量が必要であり過剰な摂取は逆に悪影響が出ます。
詳しくは「サプリメント」の所で説明するとして、アルファルファやイタリアンライグラスにはビタミンAが
豊富に含まれる為、アルファルファ牧草とアルファルファ主原料でビタミンAが
添加されているペレットや補助商品の組み合わせで長期飼育は要注意です。
アルファルファ主原料のペレットを与える場合は、牧草はチモシーにしましょう。
栄養価的にも、ビタミンやミネラルにしても、アルファルファ+アルファルファペレットでは無く、アルファルファペレット+チモシー牧草の組み合わせが理想的です。
・ペレットを作る
ペレットは機械で作られますが、現在は2種類の方法で製造されるのが主流です。
昔から飼料を作る機械として利用されている「ペレットミル」という機械と、
発泡タイプのペレットを製造する「エクスツルーター」があります。
興味のある方はどんな機械なのか検索してみて下さい。
ここ数年で、チモシー原料のペレットが登場しましたが、従来はアルファルファ主原料のペレットが主流でした
それは何故か?
アルファルファの方が加工しやすいから。
繊維が粗く長いチモシーを粒状に成形するのは難しく、成形しても簡単に崩れてしまい
製品としては問題がありました。
(製造が難しい、ロスが多い=コストがかかる)
一昔前、某社のペレットは粗繊維質30%以下という高繊維を誇っていましたが、
輸送途中にペレットが砕けてしまいパッケージ内のペレットの半分が粉状になっている事もあり
、お客さんからのクレームにより改善されました。
折角高繊維質の物を作っても、純粋にチモシーを使って製造すると繊維質が高くなればなるほど
成形が難しくなり繋ぎの成分が必要になります。
繋ぎには主にでんぷんを利用しますが、ペレットミルよりエクスツルーターで製造する時の方が利用するでんぷんは少ないそうです。
粗繊維を表示上多くするには、綿花を入れたりソイ・ハル(大豆種皮)を
入れて数値的に粗繊維質を稼ぐ方法があります。
ペレットの粗繊維を表示だけを見て「高繊維質」と思っても、
実はチモシーの繊維では無いという場合があり、ソイ・ハルは消化を促す効果は低く、
どちらかというとトウモロコシなど穀類に似た性質を持っています。
ソイ・ハル利用の危険性を上で述べましたが、乳牛に粗繊維と同じような扱いで
ソイ・ハルを飼料として与え、過去にアメリカで沢山の失敗や事故があり、現在は見直されています。
必要以上に怖がらせる為に述べた訳ではなく、ペレット製造も色々な研究と歴史があり今に至ります。
現在は技術・品質・安全性の面に関して飛躍的に向上していると思います。
特に国産メーカーの製品は獣医師や飼料設計者と共に開発しており
海外製品に負けない位向上したと思います。
・ペレットの酸化
日光・紫外線・赤外線・高温、そして空気中の酸素と反応して
腐敗=酸化が始まります。
ペレットも類に漏れず酸化します。
酸化する事により、成分が変化したり、ビタミン・ミネラルが分解して消えてしまいます。
成分の変化を製造時からお客様の手元に渡るまで維持させる為に、各メーカーは光を通さない
アルミパッケージにしたり、脱酸素剤を入れて、パッケージ内部の酸素を
無くし酸化反応をさせないようにパッケージします。
消費期限・賞味期限は各社で定めた(製造日から半年、1年以降、1年半以降、2年以降)
が記載されています。
消費期限・賞味期限はその日まで内容物の品質を保証する期間であり、開封をしない状態で劣悪な
環境下で無い場合は、最後の日まで品質を維持しているという事です。
お手元のペレットなどの商品の消費期限がもし今日であれば、製造されたのは半年・1年・1年半・2年前に作られた物となります。
お手元の商品の消費期限が1年後や2年後ならば、作りたてであるといえます。
製造メーカーが製造→パッケージ→販売する場合、パッケージの際に消費期限を明記する必要があり、パッケージに印字、もしくは
シールなどでメーカーが商品の品質を保証します。
しかし、それら品質保証は開封するまでの間であり、一度開封して空気に触れた瞬間から酸化=劣化が始まります。
食品である以上、出来るだけ新鮮なうちに消費するのが理想で、保管にも気を付けてあげて下さい。
いくら成分的に優れていても古いペレットは成分が変質している可能性があり、摂取したいビタミン・ミネラル類は破壊されて無い物と思っても良いでしょう。
購入する際の注意点は、消費期限が切れていないか、メーカーがパッケージした正規品であるかどうか。
いくら遮光されたアルミパッケージでも直射日光が当たる室外や高温になる場所に陳列していないか?
特に、リパック(業務用を小分けパッケージする事)された製品は、リパックされた製品の元はどんなメーカーのどのような商品か教えてもらえたら安心です。
業務用の飼料は、大量に利用する事を想定して作られますので、クラフト紙で出来た飼料袋に入っています。
出来たてすぐを利用する際は問題ありませんが、機密性が無い為に、品質を保持するには適していません。
虫の発生、ビタミン・ミネラルの破壊、成分の変質が製品版より起こりやすいという事を知っておいて下さい。
業務用サイズの方が安価だからという理由で、1袋を半年かけて
与え続けたりされる方のお話を聞いた時、うさぎが気の毒だなーと
思ってしまいました。
人間用のコーンフレークを開封して半年かけて食べる人は居ないですよね?
それと同じようなもんだと個人的には思います。
通常の1kgや2kgの袋の物も、出来れば1週間毎に小袋に分けて密封し、冷蔵庫などで保管されるといいですよ。
長期保存をしたい場合は、脱酸素剤対応で遮光出来る袋に脱酸素剤を入れてシーラーで密封保存がお勧めです。
脱酸素剤は専用の対応袋でないと効果はありませんので、利用される場合はよく調べて購入しましょう。
脱酸素剤と乾燥剤(シリカゲル)は別物です。
乾燥剤は、今の状態から今以上に湿気させない為の、乾燥状態維持を目的とした製品です。
脱酸素剤はパッケージ内の酸素を化学反応で無酸素状態にし、
酸化を防ぐのが目的で、其々に対応するパッケージ(袋)
も違いますので、その辺りを混同しないよう、注意して正しく保管しましょう。
・ペレットを与えない飼育
ペレットを与えない飼育方法というのがあります。
ペレットを与えない代わりに、数種類のお野菜でビタミン・ミネラルなど、牧草で足りない物を摂取する方法です。
この飼育法の注意する点は、与える野菜の種類を出来るだけ多くして、様々な野菜から様々な微量栄養素を摂取出来るようにすること。
例えば、ニンジンだけを与える、青梗菜だけを与えるのでは無く、
1回の食事=数種類の野菜にしてあげる事です。
うさぎに適した野菜かどうかは今はネット上でもうさぎ専門誌でも明記されていますので、それらを調べた上で、うさぎの様子を見ながら与えて下さい。
自宅で栽培する場合は、「牧草という植物」の最後で説明した残留窒素濃度に注意して育てて下さいね。